コミュニケーションの3要素
歌で感情を伝えるためには、
歌の技術だけではまかないきれない要素がある。
歌の技術以外の要素とは、
コミュニケーションの3要素と言われるもの(米心理学者の研究より)
1.ボディーランゲージ(55%) 2.声のトーン(38%) 3.言語(7%)
(%は感情が伝わる要素のそれぞれが占める割合)
ボディーランゲージ:顔の表情、手の仕草等、服装や身だしなみ、
目で見える情報。(ジェスチャーを指すものではない)
声のトーン(声質):明るい声なのか、泣いた声なのかという、心が洗われる
耳に関する情報。
言 語 :言葉そのものの内容(歌詞情報)。
左脳の言語野
聴き手は、歌手のボディランゲージから多くの情報を読み取り、
歌詞の中身はほとんど重視していない。
(詩・言葉を軽視する訳ではなく、歌にはそれ以上に大事なものが!)
歌が下手でもパフォーマンスとノリが良ければ何とかなってしまうのも、
英語がわからないのに洋楽が好きな人がいるのも、
歌詞を知らずとも、曲の雰囲気や、歌手の表情や仕草、歌い方だけで、
93%の部分の歌の心は伝わる。
姿勢の違いで声は変わる、声は、物理的に出てくる振動の共鳴。
姿勢は、声のトーンや反響、余韻など、声の感じに大きな影響を与える。
ふんぞり返ったら、威張った声、頭を下げたら、申し訳ない声と、微妙に変わる。
声を声だけで扱うのでなく、少し身振り手振りを大きめにつけてやると、
声にもその気持ちが伝わりやすくなる。
謝る声は、低姿勢ということば通り、やや姿勢を低くして、頭を下げて出す。
相手よりも低い声で、沈みがち。
日本には、言葉と所作を一致させた所作語と呼ばれるものもある。
歌におけるボディーランゲージ
聴き手は歌手を見ながら歌を聴く
聴き手にとっては多くの情報が伝わることになる。
人は、他人と同じ動作をすることで「繋がっている」という感覚を得る。
歌における声のトーン
アハハという笑い声、すすり泣くように息継ぎをする音、
震えたような声を加えると、より感情が伝わりやすくなる。
楽しい曲の場合は、曲の合間にイェー!と叫んでみるのも良い。
歌における言語
歌詞を使って聴き手と一体になる、
曲の同じ場所に同じ単語を繰り返し、同じ言葉で歌う事で一体感を得る。
ボディーランゲージ、声のトーン、言語の3つの情報の一致。
どれか1つでも不一致があると、
聴き手は混乱してしまい、上手く伝わらない。
歌う事は、日常の会話以上の拡大された発声を用いる、
発声に不慣れ・無理があるとフォーム(姿勢・顔の表情)が崩れてしまう。
ボディーランゲージをボディーランゲージとして意識したり、
言葉を丁寧にと、それぞれ別々感覚でするのでなく、
いい表情も、堂々とした姿勢も、所作の美しさまでも、また言葉の伝わり方も
3つの要素が、声を出すことで統一される発声を身に着ける。
(CDの視聴などで歌手が見えない時でも、声から所作が目に浮かぶ)。