発声の3要素?
従来。声という音の「メカニズム」は
①息・・・「息(呼吸)によって」
②声帯・・「声帯が振動し疎密波が発生する」(喉頭原音という)
③共鳴・・「その音が響く」(口腔共鳴・鼻腔共鳴など空洞で共鳴)
このことによって生じると考えられていた。
振動=振動成分 「声の芯」と言われるものは音源の振動に由来する
振動音の延長線上に響きがあると考え
共鳴腔で響かそうと呼気を誘導する。
ここから
『声を出す』『喉が鳴る』という感覚
『一音に一息の対応づけ』『呼気で押し出すプロセスの呼気促進』
という感覚になる。
それに対して新しいメカニズムが発見された。
開閉=響き成分 「響き」は空気の流れが空気を振動させている現象
気流が狭いすき間を通り抜けるときにベルヌーイの定理により
自励的振動(開閉)で振動音なしでも音は出る。
「気流の速度と気圧の変化の関係から疎密波が発生する」
これは私たちの耳には響き成分として感じ取れる部分。
ここから
『響きが先に生まれ』『息が支える』という感覚になる
『引き声』『声を置く』『フレージング』という息の流れ
『息の流れが仕事をする』
声帯は『息の流れによって仕事をさせられている』
という感覚になる。
「歌う」ということは「怒鳴る」事と違って
「息の流れが力の抜けた喉、声帯を通過して響く」
支えられた息は力まないのに強い息にする事が可能
(息支えについては呼吸編をお読みください)
音には振動成分と響き成分がある。
振動成分は、その歌い手だけの「それぞれの個性」となり
響き成分は、聴き手も参加し合わせる事の出来る「共通な人間性」となる。